薄毛、脱毛の育毛治療hair
当院では、薄毛、脱毛について、保険適用の治療以外に自由診療を併用して、総合的な育毛治療を行い、重篤な器質性疾患を除いた症例で高率の改善を挙げています。
薄毛脱毛の原因は様々ですが、遺伝的要因や器質的疾患や男性ホルモンによる頭頂部からの禿頭以外では、円形脱毛症の発症原因と共通していることに着目しています。
円形脱毛症の原因は、髪の毛の元となる細胞が存在する毛包がNK細胞を中心としたリンパ球によって攻撃を受けるアレルギー反応によるものというのが定説となってきています。そういう意味では、一種の自己免疫疾患とも言え、成長期にある毛包がリンパ球の攻撃を受け、毛根が脆弱になり脱毛が起こるといえます。
脱毛が起こる原因
脱毛を起こす患者側の要因としてアレルギー体質、過度のストレス負荷などがありますが、
外的要因では、最も多いのがシャンプー、リンス、毛染め剤などに含まれる添加物と思われます。ラウレルラウリル硫酸ナトリウム、着色剤、シリコン、ジンクピリチオンなどの添加物を異物と認識してNK細胞を中心としたリンパ球による攻撃を受けやすくなります。
また、過度の洗髪も皮脂を洗い流して薄毛脱毛の大きな原因になると思われます。皮脂を悪者と決めつけ、皮脂を取り除くのをセールスポイントとしているシャンプー、リンスが増えていますが、逆効果と思われます。皮脂は頭皮や皮膚を外的な障害への重要な防御因子であり、皮脂が一気に取り除かれると生体の防御反応として、平常より早いスピードで皮脂の分泌を行い、毛根に皮脂が詰まりやすくなり、血行が滞り毛根に必要な成分が届きにくくなり、これも薄毛、脱毛の大きな原因になると言えるでしょう。
肌のためにいい清潔を売り物に殺菌作用のある化粧品が販売されていますが、皮膚に常在する美肌菌といわれる表皮ブドウ球菌を殺菌してしまい、せっかくの自然に備わっている美肌作用を取り除き、添加物による障害もあって、化粧を取ると肌がボロボロなどということも多く見受けられます。こういったことも添加物の多いシャンプーでの過度な洗髪で薄毛脱毛がおこることと似ている現象と思われます。
平安時代の十二単の女性は、ふさふさの黒髪の色白美肌で描かれており、薄毛美肌とは無縁といえます。戦前までの文学書や歴史書などでも男性が脱毛で髷が結えなくなったとか女性が薄毛脱毛で悩むといった記載はみうけられません。明治大正から戦前までの写真でも若年の薄毛脱毛という光景は、ほとんど見かけらないのではないでしょうか。
作家の五木寛之さんが世界中を旅していて生涯入浴も洗髪もしない民族と出会ったところ思いのほか肌はきれいで髪も豊富だったことに驚かれて、以来、年に1,2回しか入浴洗髪はしないエッセイーで書かれていましたが、実際、見事なロマンスグレーの髪形を維持されています。
これらのことから、戦後、欧米から石油由来の添加物などに溢れた食品以外にもシャンプーや化粧品などが、多くの問題を起こしているのではないかと思われます。
脱毛症の治療
当院での薄毛脱毛の育毛治療では、まず、完全無添加のシャンプー、リンスへ変更することと洗いすぎをしないことから始めます。
次いで、アレルギー検査などで採血検査、自律神経機能などの検査を行い、アトピー性皮膚炎の既往や発症要因の高い方や交感神経優位の方は薄毛脱毛のリスクが高いため、それらに対応した処方などを行います。
ストレスチェックで高いストレス負荷があれば、向精神薬投与やカウンセリングなどの心療内科的なアプローチを行います。
投薬は、抗アレルギー剤や円形脱毛症の保険適用のある薬剤、漢方薬から適切な薬剤を選び処方いたしますが、投薬治療以外にも、育毛効果が期待できるスーパーライザー照射や鍼灸などの治療も必要に応じて行っています。
また、AGA(Androgenetic Alopecia)は男性型脱毛症で、Male Pattern Hair Lossといわれ、主に男性ホルモンに起因して発症する疾患ですが、男性ホルモン以外にも遺伝や生活習慣などさまざまな要因が関わっているといえます。一般的に額の生え際や頭頂部から抜け毛が起こり、緩徐進行性の脱毛症という特徴があります。
AGAへは自由診療で効果のある薬剤の処方をしていますが、来院を迷われている方へはオンライン診療での対応も行っています。
これらの治療で、当院では、100例以上の円形脱毛症、薄毛の改善を行ってきています。
次の写真は、コロナ感染後、急激に円形脱毛をきたした方で、許可を得て掲載しています。
令和5年5月20日
令和5年8月20日
令和5年10月20日
治療開始から5カ月で、ほぼ完治しています。