5月病
5月は、環境の変化や気候の変化などから心身の調子が悪くなることがあり、5月病と言われることがあります。
この言葉は、1968年頃から使われているので、当時からこの時期の不調が注目されていたのでしょう。
原因としては、様々なことが指摘されていますが、海外では同様の言葉は見当たらないため、日本特有の要因があると思われます。
まず、日本では4月から新年度が始まり、新入学生、新入社員が新たな環境に適応することになります。ようやく環境に馴染めた頃にゴールデンウイークという長期休暇があり、調子をくずす人もいるかもしれません。
ところが、10月から新年度が始まる海外では、10月病とか11月病という言葉がないので、新年度による変化以外の要因も大きいかと思われます。
5月病とよく似たたとえで、「木の芽(このめ)ときは、体調をくずす」といわれ、木の芽病といわれることがあります。
木の芽どきは、一般に立春から春分の間で、とても調子が良くなる人がいる一方で、倦怠感、気力低下をきたす人もおられます。
春眠暁を覚えずという諺がありますが、一般的には気持ちよく何時までも寝ていられることのたとえといわれていますが、取りようによっては、熟眠障害、朝方の気力低下、日中の眠気、倦怠感などのうつ症状かもしれません。
ところが、秋は、天高く馬肥ゆる秋、食欲の秋、読書の秋とかいわれ、それまでの夏バテから解放されて、心身とも調子が良くなるような諺が多く存在します。
やはり、気温や気圧或いは湿度など微妙な天候変化が体調へ少なからず影響を及ぼしているのかもしれません。
また、環境変化への適応が上手くできず、自信を無くして調子をくずすことも見受けられます。
5月病というのは明確な診断基準がありませんが、5月という季節や環境の変化に起こりうる心身の不調と思われるため、完璧主義や他人の評価を過剰に気にしたりすることを控え、リラックスできるような気分転換をすることが大切かと思われます。